生物生産科学科 学科長
植物は進化の過程で太陽エネルギーを利用し環境に適応した独自の育成システムを完成させ、地球上のあらゆる生物を支えています。人類は食料や食品の他、建築素材、衣類など生活上必要な素材の多くを植物に依存してきました。
21世紀を迎え、石油に代わる資源としてあらためて植物が合成する化合物が注目されるようになり、植物からアルコールやプラスチックなどが生産される時代になっています。これは環境保全を意識した資源のリサイクル化という現代社会ニーズとも一致しています。
本学科では、植物の能力を科学的に理解し、バイオテクノロジーによってすぐれた機能を引き出すことによって、植物生産に関する新しい産業の振興と発展に寄与できる人材を育成し、独自の研究を推進します。
過去5年のデータを掲載。秋田県内外を問わない高い就職率は、秋田県立大学卒業生の需要が全国的に高いことを指し示しています。より詳しいグラフは別ページより。
詳細を見る県内就職 5/47
県外就職 31/47
進学率 11/47
1・2年次は基礎科目の履修に重点を置き、3・4年次から5つのグループに分かれ専門性を高めた学習となります
○植物の生態的特性、植物ホルモンなど分子レベルにまで踏み込んだ生理的特性の解明
○環境負荷を少なくし物質循環を考慮した生産体系の確立のための教育・研究
○各種の植物病原ならびに共生微生物や雑草などの生物間相互作用の解明やその管理技術の構築
カドミウム汚染農地での植物収穫
植物ホルモンによる中茎の成長
シャクヤクうどんこ病 子のう殻と子のう
○植物特有のさまざまな機能成分はどのようにして作られるのかの解明
○植物は環境に対してどのように適応しているのかなど植物生産に関わる植物の機能の解明
形質転換イネ
低温でもイネを成長させる遺伝子探索
植物の光合成に関連した物質生産、特に澱粉(でんぷん)合成の仕組みを遺伝子やタンパク質レベルで明らかにするとともに、それらを制御・利用するバイテク技術の確立を目指した教育・研究
本学で開発したイネ新品種
酵素の立体構造
○植物の生長や昆虫の行動を制御する活性物質の単離・構造決定・合成、分子レベルでの活性発現機構に関する研究
○植物の形態形成を制御する分子メカニズムを明らかにして、植物の形を自由にデザインすることを目指した研究
ハツカダイコンによる除草剤活性試験
ハムシを捕食する天敵カメムシ
イネ分裂組織における遺伝子発現の検出
「共生」をキーワードに、共生生物を利用した生物活性物質生産と、人工共生生態系による省資源型生物生産システムに関する教育・研究
薬用植物培養
植物工場
2008卒業 神田 大樹
2014卒業 赤平 成美