植物生理研究室
秋田県立大学 生物資源科学部 生物生産科学科
Laboratory of Plant Physiology

○多糖代謝酵素タンパク質の構造生物学

・貯蔵αグルカン生合成関連酵素群の立体構造解析


貯蔵αグルカン(澱粉/グリコーゲン)の生合成には少なくとも
1.ADPグルコースピロホスホリラーゼ(AGPase)
2.スターチシンターゼ(SS)/グリコーゲンシンターゼ(GS)
3.枝作り酵素(BE)
4.枝切り酵素(DBE)
4種類の酵素 が関与することがわかっています(下図)。



 これら1〜4の個々の酵素について立体構造(基本的にバクテリア由来の酵素、一部植物由来の酵素もあり)は明らかになっていますが、基質や反応産物と複合体を形成した状態での立体構造解析はあまり進んでいません。
→ αグルカン(基質や反応産物)が酵素のどこにどのように結合するのか?
→ グリコーゲンと澱粉の生産に関わる酵素間の特異性の違いは?
など、不明な点が多いのが現状です。
 そこで、個々の酵素の役割・詳細な特性を調べ、立体構造を解明し、構造機能相関の情報を蓄積します。 グリコーゲンと澱粉の生産に関わる酵素間の特性に差異が生じる理由を立体構造の視点から明確に示します。 また、私たちが調べている微生物において、貯蔵αグルカン生合成に関わる新規酵素遺伝子も見つかってきています。 これらについても同様に解析を進め、生合成系の謎を解き明かしていこうとしています。
 研究成果は、澱粉(加工澱粉やその原料)の酵素合成などに活用できると期待されます(下図)。

研究のイメージを図で表すと・・・




・枝作り酵素の酵素-基質複合体構造を解明


シアノバクテリア由来、枝作り酵素(EC 2.4.1.18)アイソザイム 1 の結晶構造と生化学的解析
・結核菌由来の同酵素と比較して、タンパク質ドメインが新規な空間配置をとっていることを見出しました。
・本酵素としては初めて、酵素-基質複合体の構造を解明しました。
・活性中心周辺部位への糖鎖結合様式に基づき、反応機構を提唱しました。

詳しくは  Hayashi et al. (2017)  をご覧ください。
酵素の結晶構造はこちらでご覧いただけます。



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