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 植物分子生理学の分野でオリジナリティーの高い研究成果をあげていくためには、テーマを絞って深く掘り下げて行く姿勢が大切です。私たちの講座では、光合成反応の最終産物であるデンプンの生合成に関わる諸問題を最重点テーマに据えて、世界に情報発信できる研究を行っていきたいと考えています。
 デンプンは、グルコースが多数連なった構造をしていて、その点では、動物やバクテリアのグリコーゲンと何ら変わりがありません。しかし、デンプンの主成分であるアミロペクチンは、グリコーゲンよりもはるかに規則性の高い、高度に制御された基本構造をしていて、そのことが、植物の生存にとって有利であり、食糧の品質として多様な価値を生み出す原因であることが次第に明らかになってきました。このデンプンの構造は、10種類を越える酵素から成るシステムによってはじめて形成されることがわかってきました。
 私たちは日本、そしてアジアの主要作物であるイネを主な研究材料として、デンプン構造の形成や生合成の制御の仕組みについて、生理学・生化学・分子生物学など多方面のアプローチから明らかにすることを目指しています。



デンプンの物性(品質)をバイテク技術で改変する戦略(概念図)

遺伝子操作によって枝作り酵素や枝切り酵素の活性を押さえ、アミロペクチンのクラスター構造を変化させ、保湿性の低いデンプンや高いデンプンが作られると期待される。前者はビーフン、後者は大福のようなお菓子の素材に利用される。